1.海外旅行保険とは
アクシデントに見舞われることなく、無事に帰国することがベストだが、外国では想定外のことが起こりがちです。
旅行中に病気やケガをしたときの医療費や盗難に遭った際の補償などをしてくれるのが海外旅行保険。金銭的な補償だけでなく、トラブル処理や現地での日本語サポートなどのサービスも受けられるので心強い。
旅先でのトラブルに備えよう
海外旅行中、環境の変化で体調をくずしたり、ケガをしたり、大切なカメラを盗まれたり……、そんなアクシデントに遭遇することも十分あり得ます。
外国では日本の健康保険は使えないうえ、日本に比べると医療費や入院費がはるかに高額な場合が多い。こうした事態に備えるのが海外旅行保険。インターネット上からも簡単に申し込めるので、旅立ち前に忘れずに入るようにしよう。
主な補償項目
海外旅行保険では、旅の間に想定されるアクシデントについて、下記のとおり、さまざまな補償が用意されています。こうした補償があらかじめパッケージになった「セットプラン」のほか、自分の旅先と予算に合わせて必要な補償項目を選択できる「ばら掛け」もネット申込みなどでは可能です。
- 疾病治療費用:病気になった場合、病院での治療費が補償される。
- 傷害治療費用:ケガをした場合、病院での治療費が補償される。
- 疾病死亡・後遺障害:病気が原因で死亡、または後遺障害が残った場合、保険金が支払われる。
- 傷害死亡・後遺障害:ケガが原因で死亡、または後遺障害が残った場合、保険金が支払われる。
- 賠償責任:誤って人にケガをさせたり、物品に損害を与えた場合、保険金が支払われる。
- 救援者費用:旅行中にケガや病気で入院した場合、日本から親族などが現地に向かう際の交通費と現地での滞在費が補償される。
- 携行品損害:身の回りのものが盗難に遭ったり、破損などの損害を受けたりした場合に損害額が補償される。
- 入院一時金:ケガや病気で2日以上入院した場合、一時金が支払われる。
- 航空機寄託手荷物遅延費用:航空機に預けた手荷物の到着が遅れ、身の回り品等を購入した場合、その費用が補償される。
- 航空機遅延費用:航空機が遅延・欠航し、代替機を利用できない場合の宿泊費、食事代等の費用が補償される。
2.海外旅行保険の特徴と加入方法
海外旅行保険の仕組みはどうなっているのか。また、何を基準にして保険会社を選べば正解なのか。ここでは、加入方法を含め、海外旅行保険の特徴を紹介します。
保険のタイプ
- 「セットプラン」:基本契約と特約がパッケージになっているプラン。旅行者に必要な補償がほとんどカバーされているため、一般的にはこのタイプに加入するケースが多いです。
- 「ばら掛け」:例えば高額な持ち物を持っていない人が100万円の携行品損害の保険に入っても意味がない。ばら掛けは、個々の保険金額をバラバラに設定することができる。ムダな保険料を払いたくない人向き。フリープランとも云います。
保険の加入方法
旅行会社のカウンターをはじめ、出発する空港でも申込み可能。また、保険会社のホームページ上からも加入できる。ただ、「面倒だから出発間際に空港で」というのはあまりおすすめできない。自宅出発前に加入しておけば、家を出て空港に到着するまでに国内で起きた事故でも補償されるので、保険は出発前に入るようにしたい。
クレジットカード付帯保険の「落とし穴」
ゴールドカードなどには、海外旅行保険が付帯しているケースが多いが、こうした付帯保険には思わぬ落とし穴がある。たとえば、「疾病死亡補償が補償されない」、「補償金額が足りず、差額が自己負担になった」、「旅行代金をカード決済していないと付帯保険の対象にならない」といったことが起こりうるのだ。また、保険が付帯されたクレジットカードを複数所有していても、補償金額が全てにおいて合算されるとは限らない。自分のカードの付帯保険がどんな内容なのか、きちんと確認したうえで、「上乗せ補償」として、海外旅行保険に加入するのがおすすめだ。
保険を選ぶ際の確認項目
従来は、すべての会社の保険料が横並びで同額だったが、金融の自由化により、徐々に状況が変化してきている。特にインターネットで加入すると、カウンターで入るより大幅に保険料が安くなる商品も出てきているので、保険会社のサイトをチェックしてみよう。また、自分が渡航する先に、事故や急病で通院や入院した場合にはキャッシュレス(自分では直接払わず、支払手続きはすべて保険会社が代行してくれる)で、診察や治療が受けられる病院がどの程度あるかという点も、保険会社選びの重要なポイントとなる。なお、現在では、ほとんどの保険会社が24時間日本語サービスを展開している。
インターネット契約サービス
地球の歩き方 おすすめ海外旅行保険 では、24時間受付の海外旅行保険のインターネット契約サービスを紹介している。手続きはすべてインターネットで完結。さらに補償内容を自由にチョイスできるフリープランもあり、自分の旅のスタイルにふさわしい補償を選ぶことができる。少しでも保険料を節約したい旅行者にとって強い味方です。
ケガや病気をしたり、事故や盗難に遭った場合は、次の手順で保険の請求をします。
保険請求の手順
(1)保険会社への通知
事故が発生したらなるべく早急に現地または日本の保険会社の窓口に連絡を入れる。このときに必要な書類について確認しておくようにしよう。
(2)必要書類の提出
- 病気、ケガの場合:医師の診断書、治療費の明細、支払いの領収書など
- 携行品の破損、盗難:警察への盗難届出証明書、第三者の事故証明書など
クレジットカードに自動付帯している保険
最近では、一般カードでも海外旅行保険が自動付帯しているクレジットカードが数多くある。自分が所有しているカードに保険がセットされているか、補償内容はどうなっているのかなどを公式サイト等でチェックしてみよう。そして、付帯している保険の内容と旅行の目的・行程などを考慮したうえで補償が十分であるかを検討し、不足と思われる部分をフリープランの保険で補うなどしてカード付帯保険を補足しよう。
付帯保険には「利用付帯」と「自動付帯」がある
クレジットカードに付帯している海外旅行保険は「利用付帯」と「自動付帯」に分類される。「利用付帯」とは、旅行代金をクレジットカードで支払った場合のみ、海外旅行保険が有効になるというもの。適用条件はカード会社によって規定が異なるが、ホテル宿泊代金や飛行機のチケット代、最寄り空港へのバスや電車といった交通費の支払いに利用した場合もOKとなることが多い。一方の「自動付帯」とは、旅行についての支払いの有無に関わらず、クレジットカード会員であれば自動的に海外旅行保険が有効になるというもの。自分が所持しているクレジットカードに海外旅行保険がセットされている場合、「利用付帯」か「自動付帯」かを確認しておこう。
クレジットカード付帯保険のチェック事項
クレジットカード付帯保険でとくにチェックしたいポイントは次の通り。
(1)死亡・後遺症の補償に比べて治療費補償が少額ではないか?
- ケガをした場合、入院や手術を伴う治療では不十分なケースが多い。
- 病気による死亡には補償がないケースが多い。
(2)賠償責任の補償額は十分か?
- レギュラーカードでは2000〜3000万円程度(若者対象のカードはさらに少額)。
- 現在の世界情勢等から考えて不安はないか。
(3)航空機寄託手荷物や航空機の遅延補償は付いているか?