大学授業料で見るフィリピンの教育事情

 国立大学・州立大学の授業料は無料になった。名門私立で45万円。将来良い職に就くためにフィリピンの学生は大学で猛勉強します。

学歴だけではなく上位ランクの大学に入学し上位の成績で卒業することが重要なのです。ただ大学を卒業するだけでは意味はありません。

貧困家庭の子どもは親が高額な学費を捻出できず、自らアルバイトなどして学費を稼ぎ大学を目指します。貧困層ほど授業料の安い国立を目指しますが学力がついていきません。

家計の1/3が教育費

フィリピンの一般家庭の収入は一か月2万円台。（9400ペソ）
年収24～30万円。（126000ぺそ）
大学の授業料が10万円だとしたら収入の約1/3強が教育費。（47000ぺそ）
学費だけではなく別に、制服や文具、プロジェクト費など必要になります。

フィリピンの奨学金

フィリピンの奨学金は返済の義務がない給付型。
年間で約2万5千円が国から支給されます。
書類審査など一定基準はありますが貧困の子どもにとっては唯一将来の可能性が広がる制度です。

奨学金申請にパスしない子どももいます。
多くは親の問題です。
住所不定
職業なし
犯罪歴あり　など

フィリピンの貧困層は住まいを転々としていたり、定職を持っていない家庭や母子家庭が多数です。これでは折角の制度も利用できません。

子どもたちはみんな大学へ行くことを望んでいます。
目的は定職に就き収入を得て家族を楽にしたいからなのです。
自分が遊びたいとか何か買いたいとか、そんな理由ではありません。

路上で物売りをしながら暮らしている貧困家庭の子どもが学校へ通えるよう奨学金制度をつくり貧困の子どもの教育を支援している団体も在ります。