フィリピンはなぜ貧しいの?

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「フィリピンでは貧富の差が激しいらしい」、そんな話はよく耳にするのではないでしょうか?

貧富の差がどれほど大きいのかは、実際に現地に足を運んでみなければ、フィリピン人の富裕層は、日本人がイメージする大金持ちよりも、度を超えて裕福です。フィリピンの貧困層は、日本人がイメージする貧乏人よりも、はるかに貧しい生活を送っています。

彼らは人が住んでいるとは到底思えないようなバラック小屋で生活しています。屋根があればまだましなほうです。ストレートチルドレンと呼ばれる子供たちは、文字通り路上で寝起きしています。

野外での生活は、冬の寒さが厳しい日本ではできないことですが、フィリピンのように年間を通して温暖な国であれば、どうにか雨風をしのぐことができます。

食べられるものを口にできるかどうかわからない毎日を、彼らは過ごしています。彼らにとって毎日の大きな目標は、食べられるものを手に入れることです。そこには贅沢が入り込む隙間はまったくありません。貧困層の家に生まれた子供たちには、オシャレも勉強もゲームも漫画も無縁です。

フィリピンでは高校までが義務教育のため、授業料は国が負担してくれます。しかし、学校へ通うためには制服や文房具をそろえ、食費や交通費を用意しなければいけません。

その日に食べられるものを口にできるかどうかわからない、という暮らしをしている貧困者の家庭に、子供を学校に通わせる余裕などありません。

貧困層の子供たちは学校へ行く代わりに、幼い頃から働きに出ます。ゴミのなかから換金できる物を探したり、子守のバイトをしたりしながら少しでも日銭を稼ぎ、家族の食費を支えます。

フィリピンにとって問題なのは、貧富の差がより広がっている、ということです。これは、フィリピンにとって望ましくない傾向です。

経済成長率だけを見れば、フィリピンはアジアでも抜群の成長率を誇っています。しかし、経済が成長しているにもかかわらず、フィリピンの場合、一般庶民の生活ぶりはちっとも向上していません。経済成長によって潤っているのは、わずか1%に過ぎない富裕層ばかりです。富める者はさらに富み、貧しい者はさらに貧しくなるのがフィリピンの現状です。

なぜ、フィリピンではこのような貧富の差が生じているのでしょうか? 周辺諸国が経済的にフィリピンよりも発展し、貧富の差も縮まっているのに比べて、なぜフィリピンではちっとも貧富の差が解消されないのでしょうか?

フィリピンの潤った大地はほとんどがカトリック教会・地方提督・スペイン人入植者・現地人支配層の持ち物となり、フィリピンの人々は小作人として、事実上の奴隷労働を強制されたのです。

現地人の支配層はスペインとつながることで、私腹を肥やしていきました。フィリピンにおける貧富の差は、こうしてスペインの植民地時代に構成されました。

1989年にはフィリピンからスペイン軍を追い出すことに成功し、ついに念願の独立を勝ち取りました。

しかし、スペインから2000万ドルでフィリピンを買い取ったアメリカは、フィリピンの独立を認めませんでした。スペインに代わって、フィリピンはアメリカの植民地となりました。

スペインやアメリカがフィリピンなどの植民地で展開した農業を、アグリ・ビジネスと呼びます。アグリ・ビジネスとは、食品としてではなく、商品として農作物を扱う農業のことです。

フィリピン人の多くは、プランテーションでの低賃金労働に甘んじるか、土地所有者の小作人となってわずかばかりの収入を得るかの、どちらかを選ぶよりありませんでした。

周辺諸国が次々と貧富の差を解消しているのに対して、フィリピンだけは取り残されたままです。その原因はどこにあるのでしょうか?その大きな原因として、独立後もフィリピンでは、アメリカの経済植民地としての状態が長く続いたことがあげられます。

フィリピンの貧困をなくすための方法については、多くの経済学者の見解が一致しています。なによりも急がれるのは、農地の解放です。

小作人でいる限り、農作物のほとんどを地主に収めなければいけません。ひどい地主になると、農作物の9割を奪われるため、小作人ではまともな暮らしを送ることはできません。

そのため、フィリピンの農民のなかには小作人をやめて、都会を目指して上京する人が増えました。そうした貧困者が、ゴミ捨て場に勝手にバラックを建てて住み着くようになったのです。

歴代大統領のなしえなかった農地改革への期待が、ドゥテルテ大統領に寄せられています。前アキノ大統領は地主の一族出身であり、農地改革には消極的でした。

ドゥテルテ大統領とマリアノ農地改革相は、大統領自身が委員長となる農地改革委員会(PARC)を、およそ10年ぶりに復活させました。2022年までに約6,210平方キロの農地を農民に分配すると発表しています。

フィリピンの政財界に大きな影響力を及ぼす財閥と財閥寄りの政治家、そしてアメリカ資本とドゥテルテ大統領陣営の対決は、水面下でじわじわと進行しています。

このように、経済学者は分析していますが…。日本もアメリカの占領下にあった国なんですが疑問を持ちます。

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