スペイン統治時代の街並み ビガン歴史都市

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フィリピン国内では最大、世界でも17番目に大きく、人口では世界第4位を誇るルソン島。その北西部に、フィリピンを代表する世界遺産「ビガン歴史都市」があります。首都マニラから北へ400キロ、かつてスペインの統治下にあった時代の影響を色濃く残す街並みは、スペインや中国、ラテンアメリカの影響を受けたフィリピン独特の趣を呈しています。

世界遺産の古都ビガンでは、凝った造りの家やカラフルな装飾品など、街のあちこちにその名残を見ることができます。ビガンの街は、アジアに残るスペイン統治下の都市では最も保存状態が良いといわれ、1年を通して花々は美しく、6か所あるフィリピンの世界遺産のなかでも真っ先に名前が挙がるほどです。そんなビガン歴史都市の楽しみ方についてご紹介します。

ビガン歴史都市とは?

世界遺産の街ビガンは、1574年にスペインの交易拠点として建設されたのが始まりといわれています。ただし、それ以前にも「イロコス」という名で中国や日本と交易関係があったといわれています。スペイン統治時代には、「シウダー・フェルナンディナ 」と呼ばれていました。スペインの建築技術を用いているものの、材料には木骨煉瓦を使い、住宅のある2階の風通しを良くするなど、フィリピンの気候風土に合わせた工夫がみられるのが特徴です。

同様の街並みは、フィリピン国内の他の都市にもありましたが、太平洋戦争の戦禍でほとんどが壊滅。このビガンの旧市街だけが奇跡的にほぼ無傷で残りました。その背景には、この美しい街を爆撃に晒すのはしのびないとして撤退した2人の日本人将校の逸話があります。

ビガン歴史都市へのアクセス

ビガンへの行き方は2通りあります。時間に余裕がある人は、のんびりと景色を楽しみながらバスで向かいましょう。一方、観光の一環として効率よく回りたい人には飛行機とバスがおすすめです。

バスの場合は、首都マニラのパサイおよびクバオバスターミナルから直行便が出ています。片道10時間程の長旅になりますが、大型バスなので思ったより快適。ただし室内は寒いくらいの温度に設定されていますので、必ず上着を持参しましょう。

飛行機の場合は、マニラからラオアグへ約1時間。その後ラオアグ空港から市内のバスターミナルまで移動し、ビガン行きのバスに乗って2時間です。直行バスよりも費用はかかりますが、手軽に行けるのが魅力です。

クリソロゴ通り

世界遺産ビガン歴史都市の目抜き通りといえば、クリソロゴ通りです。まっすぐに伸びる石畳の道は、フィリピンを代表する世界遺産都市にふさわしい美しさです。狭い車道を馬車が蹄を鳴らしながら悠々と走り、幅広く作られた歩道には左右のカフェやレストランのテラス席が並びます。

商店やビガンのお土産物屋で朝から賑やかなクリソロゴ通りは、夜になるとまた違った雰囲気を見せてくれます。住居の軒先やレストランがライトアップされ、どこからともなくバンドの音楽が。さすが世界遺産、ビガンは観光客も夜遅くまで出歩くことのできるほど治安の良い街です。

サルセド広場

夜になると約30分の噴水ショーが行われ、観光客はもちろん地元のカップルにも人気のデートスポットに早変わり。世界遺産と聞くと厳格なイメージがありあすが、ビガンはみんなが愉快に楽しめるという珍しい世界遺産です。

聖ポール大聖堂

世界遺産ビガンの街の中心地から少し離れた場所にあるサルセド広場に立つと、池を挟んで正面に姿を現す真っ白な教会が聖ポール大聖堂です。1799年に建てられた大聖堂は内部まで真っ白に飾られていて、カラフルに彩られたイエス・キリスト像が目立ちます。

聖ポール大聖堂の目玉といえば、日曜日に行われるミサ。なんと世界遺産の教会で、司教がエレキギター片手にミサを行うとか、ビガン市民だけでなく観光客も参加することができる。

クリソロゴ博物館

ビガンの街の南側、車通りの多い道に面して、クリソロゴ博物館で、世界遺産にも登録されています。実は世界遺産のメインとなるクリソロゴ通りやクリソロゴ博物館の名前になっているのは、故ビガン知事の名前だそうです。道路沿いに建つ歴史を感じる建物は、メナ・クリソロゴ知事ゆかりの建物です。

2階建ての建物はあまりにそっけなく、分かりやすい看板もありません。世界遺産の歴史都市らしく建物には風情があります。館内にはビガンで実際に使用された食器類や調度品、愛車などの展示があります。ビガンの上流階級者たちの生活ぶりがうかがえます。

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