フィリピンの世界遺産

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フィリピンは長い間スペイン、アメリカ、日本などに統治された歴史を持つため、さまざまな外国文化が生活の中に根付いています。

キリスト教を信仰する人が多い、英語を話せる人が多いというのには、そういった背景があります。フィリピンには世界遺産が6件あります。文化遺産3件、自然遺産3件を簡単に紹介します。

文化遺産

  • 文化遺産フィリピンのバロック様式教会群 – (1993年)
  • フィリピン・コルディリェーラの棚田群 – (1995年)
  • ビガン歴史都市 – (1999年)

自然遺産

  • トゥバタハ岩礁自然公園 – (1993年、2009年拡大)
  • プエルト・プリンセサ地底河川国立公園 – (1999年)
  • ハミギタン山域野生生物保護区 – (2014年)

スペイン統治時代

マゼランの到達後スペインはフィリピンの島を次々と占領し1,571年にはマニラを陥落。スペインは、植民地支配を安定させるためフィリピンの人々にカトリック教を広め、教会を建築していきました。

そのため、現在でもフィリピンの各島にスペインの聖堂をモデルとした教会やスペイン風のコロニアルな街並みなどが残されています。

フィリピンのバロック様式の聖堂群(文化遺産

スペイン統治時代に建設されたバロック様式の教会4つが世界遺産として登録されています。フィリピン特有の地震や台風、そして西欧の攻撃から建物を守るため、石でつくられているのが特徴です。

サン・アグスティン教会 

ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・アスンシオン教会

スペイン風の聖ポール大聖堂(ビガンの歴史地区)

大航海時代のスペインの面影が残る「ビガンの歴史地区」は、街がまるごと世界遺産として登録されています。ルソン島北部の港町ビガンは、中国やメキシコとの貿易の拠点として栄えました。

外観はスペイン風ですが、建築様式はフィリピンや中国の様式が採用されたため、石と木を組み合わせた家屋。異国情緒あふれる街並みは、フィリピンの歴史を現在に伝えています。

ビガン歴史都市

第二次世界大戦の戦火を奇跡的に逃れた16世紀スペインの植民地として築かれた港町ビガン。大航海時代のスペイン風な街並みが残る都市で、南シナ海に面するビガンは古くから中国との貿易が盛んだったために建物もヨーロッパと中国の建築様式が融合した独特な物となっており、現在アジアに残るスペイン統治都市の中ではもっとも保存状態が良いと言われている。

1999年に『ビガン歴史都市』として世界文化遺産に登録された。

かつてはマニラやセブにも同様の街並みが存在したが、太平洋戦争時に全て焼き払われた。ビガンのみは当時の日本軍司令官『タカハシ』がビガンを破壊することなく撤退した為にこの美しい町並みが残された。

コルディリェーラ山脈の棚田文化遺産

古くからフィリピンには、マレー人などを中心に様々な民族が生活をしていました。15世紀頃イスラム教が伝わり、フィリピンの多くの島がイスラム化します。そんな中、大航海時代の1,521年、スペインが派遣したマゼランがフィリピン諸島に到達。これ以降スペインによる統治時代が始まります。

ルソン島の北部に位置する「コルディリェーラ山脈の棚田」は、少数民族イフガオ族によって作られたもので斜面に広がっています。特筆すべきは、2,000年以上にわたって口承で農耕技術が伝えられてきたこと。長きに渡って同じ方法で農作業を続けてきているのです。

アメリカ合衆国統治時代

1,898年、アメリカとスペインによる米西戦争が起こり、アメリカはフィリピンに侵攻、スペイン軍を降伏させました。これによりスペイン統治時代は終焉を迎え、アメリカがフィリピンの統治権を奪います。

その後独立を目指すフィリピン大統領アギナルドを中心にアメリカと対立するのですが、アメリカ軍によって鎮圧。アメリカ占領時代が始まります。

占領時代、アメリカ政府はフィリピンの学校で積極的な英語教育を進めました。その英語教育は現在でも引き続き行われているため、フィリピンは高い英語力を持つ方が多いことでも知られています。

独立!民主国家フィリピン共和国誕生

第2次世界大戦中の1,941年から45年までフィリピンは日本軍の支配下にありました。日本の敗戦により一旦アメリカに占領されますが、1,946年にアメリカから独立。民主国家フィリピン共和国が誕生し現在に至ります。

トゥバッタハ岩礁自然公園(自然遺産)

プエルト・プリンセサから約200キロ南東のスールー海のど真ん中に、東南アジア最大の珊瑚礁が広がるエリアがあります。こちらがフィリピンで初めて自然遺産として登録されたトゥバタハ岩礁海洋公園です!

世界中のダイバーが憧れるトゥバタハ岩礁は、大小3つの環礁(珊瑚礁がリング状に連なったもの)が世界遺産として登録されています。環礁の外側は「ドロップオフ」と呼ばれる珊瑚の断崖になっていて、マンタなど約380の魚介類、海鳥、ウミガメなどが生息しており海洋生物の宝庫となっています。

プエルト・プリンセサ地底河川国立公園 – (1999年)

フィリピンの南西部に位置するパラワン島は、豊かな自然が残るフィリピン最後の秘境と言われている島です。この島に流れているのが世界最長8.2キロのプエルト・プリンセサ地下河川です!

地下河川とは洞窟の下を流れる川です。こちらのプエルト・プリンセサ地下河川は、幅約120メートル、高さ約60メートルの巨大な洞窟からダイナミックに海に流れ出ているのです!

なぜこのような地下河川ができたのでしょうか?パラワン島は石灰岩でできた島で、「雨の島」と呼ばれるほど雨量が多いです。

その大量の雨が石灰岩を削って海に流れ込み、地底に洞窟と川ができたのです。ちなみに以前にご紹介したベトナムの「ハ・ロン湾」も石灰岩の大地でできています。ハ・ロン湾でもプエルト・プリンセサと似たような大きな洞窟を見ることができます。

ハミギタン山地野生生物保護区 (自然遺産)

ハミギタン山地野生生物保護区はフィリピン南部、ミンダナオ島の南東部のプハダ半島にあります。固有種が多いことで知られており、ここでしか見ることができないウツボカズラなどが有名です。ウツボカズラは、とても美しい食虫植物でボルネオ島にある世界遺産「キナバル自然公園」などでも見ることができます。2014年に世界遺産に登録されたばかりなのでまた訪れたことがある人は少ないです。

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