フィリピンのルソン島西部に位置する首都で、混沌とした雰囲気が漂う人気観光地、マニラ。スペイン統治時代の面影を今に残す城砦都市跡をはじめ、夕日の絶景が楽しめるマニラ湾やユニークな体験ができる水族館、ショッピング、グルメ、エンタメまで、さまざまな楽しみ方がいっぱいです。
マニラ地区
サンチャゴ要塞
パッシグ川に面した、イントラムロスの北西の一番端に位置する。かつてこの城壁都市の中で、戦略上最も重要な場所としての役割を果たしていた。
また、第2次世界大戦中日本軍が占領している間に、多くのフィリピン人が命を失った所でもある。彼らは水面下の地下牢に閉じこめられ、満潮時に水死させられた。
この中にはリサール記念館 Rizal Shrineもあるが、ここはホセ・リサールが処刑前まで暮らしていた所で、記念館内には彼が使っていた机や服、当時描かれた絵画などが展示されている。記念館の出口から出ると要塞の上まで歩ける。
カーサ・マニラ博物館
サン・オウガスチン教会の向かいにあり、第2次世界大戦後、イントラムロスでいち早く修復が行われた建物。この博物館では、かつてのスペイン統治時代の特権階級の暮らしぶりをうかがい知ることができる。
ダイニングルーム、リビングルーム、寝室にはアンティークの調度品や家具がしつらえてある。また、当時のトイレを見てみるのもおもしろい。
国立博物館
「国立博物館」の名にふさわしく、フィリピンに関する考古学、人類学、植物学、動物学ほか、ありとあらゆるアカデミズムの世界が一覧できる。
展示内容も秀逸なものが多く、全国から集められた古代の出土品や植物標本など、すべてのものが見ものだといえる。
国内有名画家たちの絵画を含め、美術に関する展示もあり、さらにリサール公園内には、国立博物館管轄のプラネタリウムもある。
マニラ・オーシャン・パーク
2010年、「海」をテーマにした巨大エンターテインメント施設がマニラ湾に誕生した。その規模は東南アジア最大といわれ、広大な敷地内には海洋生物1万匹以上が観られる水族館。
アトラクションの施設にレストラン・ショッピング街、さらにはホテルやスパ、プールも併設しているという充実ぶり。家族連れだけでなく、大人が1日中楽しめる内容となっている。
水族館の目玉は、なんといっても水中トンネル。頭上を大きなサメやエイが横切ったり、キラキラと輝きながらアジの群れが通り過ぎて行ったりと、幻想的な気分が味わえる。
ほかにもワニの沼があるジャングルを再現した熱帯雨林のエリアなど、各所に趣向が凝らされている。
マニラ大聖堂
第2次世界大戦で破壊されたが、1954~1958年に再建された教会で、フィリピンで最も重要な教会とされている。この再建にあたっては、当時の神奈川県知事からの援助があったといわれる。ロマネスク風の建物で、ドーム状の屋根とベル・タワーは目を引く。
広い内部は厳かな雰囲気で、フィリピン人アーティストによってデザインされたステンドグラスは見もの。また、前方にはオランダ製のパイプオルガンがある。4500本のパイプをもつこのオルガンは、アジアで最も大きいもののひとつだ。
サン・オウガスチン教会
1599~1606年に建てられた、フィリピン石造建築の中で最も古い教会のひとつ。そのどっしりとした建物は、1675年からの7回にわたる地震や第2次世界大戦の爆撃にも耐え、そのままの姿を残すことができた。
教会内はバロック風のインテリアで、パリから取り寄せられたシャンデリア、イタリア人アーティストによる壁画や祭壇を見ることができる。マニラ大聖堂よりは明るい感じのする教会だ。
祭壇左にはスペイン人の初代総督レガスピが眠っている礼拝堂もある。また、教会右のサン・オウガスチン博物館には、宗教画や礼服、礼拝に使う品々の展示がある。
バハイ・チノイ
フィリピン華僑の歴史・生活をテーマにした博物館。9~10世紀頃から中国の商人たちがフィリピンへやって来たという。
16世紀末以降、スペイン統治下の迫害など多くの苦難を経て、自衛・自治組織が確立され、1904年には華僑社会の中核となる中華商会が成立した。
館内では、一連の歴史と生活風景などを人形を使って再現した展示や、中国の商人が持ち込んだ陶器などが見られる。また、第2次世界大戦時の日本軍に対する抗日運動についての展示もある。